「トビタテ！留学 JAPAN」とハワイ州観光局との共催事業である「【高校等教員向け】探究型海外研修企画のためのハワイ視察プロジェクト」の12月視察者9名が、2024年12月14～18日（3泊5日）でハワイ州への視察を行いました。

「時代に合った学習効果の高い探究型海外研修を教師が自らプロデュースする」ことをテーマとした当プロジェクトの公開ページはこちらをご覧ください。
https://tobitate-gov.note.jp/n/n5739769b56b5

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生徒の探究活動につながる、先生の視察先をピックアップ！

12月のハワイ視察と事後ワークショップを経て、9名の先生方から気づきや発見、思いを伝えていただきました。
前回に続き、事後ワークショップの発表や寄稿により、ハワイ視察３日目の自由時間での訪問先を中心にご紹介します。

今回は12月視察者最終の第三弾、下記の3名の先生です。

・兵庫県 滝川高等学校（兵庫県 私立） 福山 太一 先生
・群馬県立高崎高等学校（群馬県 公立） 小西 弘通 先生
・福井県立若狭高等学校（福井県 公立） 林 絵梨奈 先生

【兵庫県 滝川高等学校（兵庫県 私立） 福山 太一 先生】

福山先生の3日目の訪問先（ハワイ島）

3日目スケジュール
・オアフ島からハワイ島へ移動
・往路HA122便、復路HA281便
・7:00にヒロ空港でアーイナ・ホオーラ・イニシエティブの長谷川久美子さんと合流。
・朝ごはんを食べながら、活動のについてのレクチャーを受ける
・8:30〜12:00にfish pondのLokowakaに移動して、外来種のCalifornia grass （アフリカ原産）の除去ボランティアに参加
・12:30からの午後からも引き続き、長谷川さんの案内で、ヒロダウンタウンやハワイ大学、ホテルなどの施設を簡単に車で回りながら位置関係など地理的な把握をするとともに、これまでの日本の高校の実際の研修内容について相談
・14:00から15:30過ぎまでワイアケア高校のインターアクトを担当しているヒロ・ロータリークラブの方2名と面談
・これまでの交流実績やこちらの希望についてディスカッション（ヒロ・ロータリークラブと広島のロータリークラブが姉妹提携しているため、広島の修道高校の生徒との合流があるとの事）
・18:00にホノルル空港（オアフ島）に帰着

「ハワイ島」をクローズアップ！

■ハワイ島を訪問した理由について

理由の１つ目は、ハワイ島は、オアフ島に比べ、世界遺産のキラウエア火山をはじめ、手つかずの自然が豊かなイメージがあり、自然をテーマとした探究活動には適しているのでは考えたからです（当初は本校サイエンスグローバルコースという理系と国際系が融合したコースでの実施を想定していましたので、自然科学寄りの探究が可能な場所を意識していました）。

２つ目は、ハワイを代表する2島のうち、オアフ島の主要の研修先は既に設定されていたため、ハワイ島の状況（地理・交通・宿泊等）を自分の目で確認しておきたいと思ったからでした（ハワイへの訪問は初めてであり、ハワイ島を別の機会に訪問するのは難しいので、このチャンスを活かしたかったです）。

３つ目は、自身はボランティア活動としてこれまで環境保護活動・国内外の被災地支援活動・途上国での少数民族支援やスラム支援活動などに関わってきましたが、面接の際にハワイ州観光局様より「ボランティア活動するならハワイ島の方が適しているかもしれない」とのアドバイスを受けたからです。さらに事前の調査で、環境保護のボランティアをされている長谷川久美子さんの存在を知り、その活動に是非参加したいと考えました。

■外来種除去ボランティア活動から見えた５つの広がり

1：　豊かと思っていたハワイの自然や生態系が大変脆弱である
　今回は、長谷川久美子さんが代表を務めるʻĀina Hoʻōla Initiative（アーイナ・ホオーラ・イニシエティブ）のWetland Restoration（湿地再生）ボランティア活動に参加しました。
ヒロ空港すぐ近くにあるLoko Waka fishpondは、外来種のカリフォルニアグラス（アフリカ原産）が湖面にまで広く繁茂しています。カリフォルニアグラスは元々牧草として持ち込まれたものが、湿地部を中心に広がり在来植物を駆逐する他、水鳥の生息地を奪うなどハワイの生態系を破壊する被害を引き起こしています。この侵略的外来種であるカリフォルニアグラス等を除去して、ハワイの固有種であるクロエリセイタカシギ（Aeʻo/アエオ)等が飛来するような元の環境に再生しようという試みです。

　活動中、ハワイの自然環境についてのレクチャーを受けたのですが、ハワイの生態系に影響を与えているのはカリフォルニアグラスやマングース等の侵略的外来種だけでなく、開発や温暖化も大きな要素であることも知りました。特に温暖化に伴う蚊の活動の活発化は、蚊を媒介とした伝染病（鳥マラリア）による被害を拡大させて多くの鳥を危機的状況に追い込んでいます。その結果野鳥だけ見ても、かつてハワイ州の森林には50種類以上のハワイ固有の鳥が生息していましたが、現在17種のみとなっており、さらに絶滅寸前の種も多いことがわかりました。
　
　このように、自然豊かであると思っていたハワイの自然環境は極めて脆弱で、生態系は崩壊の危機であるということです。

　この他、私がハワイを象徴すると思っていた樹木である「モンキーポッド」（日本最大の総合電機メーカーのCMソングで有名）が侵略的外来植物であることにショックを受けました。また、レイに使われる花々も外来種が多いことも意外でした。

２：　ハワイの伝統的なポリネシア文化と日本の精神文化との親和性
　今回はハワイアンのための学校であるカメハメハ高校の卒業生5名と共に参加しましたが、タロイモを育てる湿地帯やFish pond（養殖池）は、古くからハワイアンの共同生活体で重要な役割を果した神聖な場所ですので、活動に入る前にはハワイの神々に許可を求める祈り「ori（オリ）」をハワイ語で卒業生たちがささげました。卒業生たちが「ori」を唱えることが出来るのは、彼らが伝統的文化の教育を受けており、その精神を受け継いでいるということであると思います。

　また、彼らが小さな虫に対してまで敬意を払いながら活動している姿は感動的でした。そこには、自然に対する畏敬の念があり、人間が自然に対して優位であるという意識は感じられませんでした。ポリネシア航海協会でお話を伺った時にも思ったのですが、伝統的なポリネシア文化は、自然を改造可能で克服すべき対象と捉えず、むしろ人間存在は自然の一部であるという思想が流れており、そこに日本の精神文化との親和性を感じました。

　歴史的経緯をみても、欧米諸国に翻弄され、一度は伝統的自国文化を破棄しようとしたところも日本と共通するものがあります。

　こういったところから、このボランティア活動は異文化理解の側面も持ち、自然環境の保護活動からスタートしながら、ハワイの歴史や文化の探究に発展させ、日本との比較文化的考察を行うのも面白いのではないかと思いました。自分のアイデンティティを深く考える機会にもなりうるのではと思います。

３：　人と自然との共生のあり方を学ぶ
　湿地帯でのタロイモ栽培やFish pondでの魚の養殖を軸としたハワイの伝統的生活は、環境負荷をかけない形で自然と一体となったものであり、今日の流行りであるサスティナブルな社会を考えるうえでも、大変参考になるのではないかと思います。

４：　自然科学的アプローチと精神科学的アプローチ両方の探究が可能　
　大学などの高等教育における学域を参考にすると、外来種除去ボランティア活動を通じて、自然科学的アプローチであれば、保全生態学、公衆衛生学、海洋環境学、環境化学、植物生産科学など、精神科学的アプローチであれば社会環境学、環境哲学・政策学などでの探究が可能であり、文系・理系どちらでも教材となりうると思いました。

５：　課題の共有
　現地での環境保護活動は何度でもできるものではないですが、事前学習の設定や、探究活動で明らかになった社会課題についての共有は国内で可能であると思います。顧問を務めるボランティア部でも、現地とオンラインで結んだ勉強会や、レンジャーショー形式でのプレゼンテーションの実施など、できることから始めていきたいと考えています。

今回の視察について

今回の視察を一言で表すと、
「コペルニクス的転回」。
天動説から地動説へと変わったように見方がとにかく180度変わりました。
ハワイはリゾート地というイメージしかありませんでしたが、現地に行くと、多文化共生、自然共生の学びの場など、ものすごくいろいろなことが体験できる素晴らしい場所で、ハワイ観が変わりました。

皆さんに伝えたいこと

交流をしたい現地校の関係者にアポイントを取るのが難しかったです。私の場合は、現地校に直接連絡しても返答がなかったので、ボランティア団体を通じて相談をすると関係者とアポイントを取ることが出来ました。 　
オアフ島からハワイ島への移動の搭乗時間は1時間余で便数も多いため、うまくスケジュールを組めば日帰りでも可能です。

【群馬県立高崎高等学校（群馬県 公立） 小西 弘通 先生】

小西先生の3日目の訪問先

・ダイヤモンドヘッド
・ＫＣＣ（カピオラニ・コミュニティ・カレッジ）
・ハワイ・レインボー・アカデミー
・パールハーバー（戦艦ミズーリ記念館、アリゾナ記念館）

「KCC」「ハワイ・レインボー・アカデミー」「パールハーバー」をクローズアップ！

本校と高大連携をしている大学からの紹介で、ＫＣＣ（カピオラニ・コミュニティ・カレッジ）、ハワイ・レインボー・アカデミーの２校を訪問しました。
２校とは数回にわたってオンラインで意見交換をしていたので、スムーズに訪問することができました。

ＫＣＣ（カピオラニ・コミュニティ・カレッジ）

ハワイ大学機構に属するカレッジの一つで、短期大学兼専門学校のような学校です。２年間ここで過ごした後、ハワイ大学などのアメリカの大学に編入する学生が多くいるそうです。
訪問した目的は、本校の海外研修旅行における訪問先として検討するためでした。本校生徒が交流する学校として適当かということや、実現可能性を確認するために訪問しました。
現地では事前に何度かオンラインでやりとりしていたスタッフの方と会い、キャンパス見学をし、本校生徒が伺った場合どんなことができるかということについて話をしました。キャンパスは綺麗でした。
希望があれば、講義や活動（学生が参加しているボランティア活動やKCCファーマーズマーケットのお手伝いなど）に参加することは可能であるという回答をもらいました。
一つ問題は、訪問した時期には、学生がほとんどいませんでした。訪問時期を考えて計画しないと難しそうです。

ハワイ・レインボー・アカデミー

基本語学学校ですが、研修旅行に関する斡旋、現地校との交流調整等もやっているところです。
訪問した目的は、現地高校やホームステイ、現地でのアクティビティ等の斡旋内容などを確認するとともに、現地高校との交流について話を進めるためです。
現地ではスタッフの方と話をしました。内容としては、ホームステイをお願いした時にいくらぐらいかかるかということや、現地校との交流の可能性、調整にかかる費用等について聞きました。現地校との交流については、こちらから希望の高校を伝え、3校について調整してもらうことになりました。費用がかかるので、学校独自で交渉したほうが良いのですが、負担が少ないので、お願いしてみました。他の方と被らなそうな学校で、こちらのニーズを満たしてくれそうな高校を希望しました。

その他、パールハーバー の戦艦ミズーリ記念館とアリゾナ記念館を訪れました。

パールハーバーについては、「戦争と平和」について考察する上で、生徒が訪問する場所として適するかを確認するために訪問しました。日本史の教員としてぜひとも訪れたい場所でした。太平洋戦争の始まりの場所であるアリゾナ記念館と、終戦の場所（降伏文書調印の場所）である戦艦ミズーリ記念館を訪れてみて、いろいろと感じたり、考えたりするところがありました。歴史からは多くのことを学ぶことができます。
日本国内の戦争遺跡を訪れることも、生徒にとって意味あることと思いますが、海外の戦争遺跡はまた違った角度から戦争について考察することができる施設であると強く感じ、ぜひ訪問させたいと思いました。
ワイキキより、ザ・バス（The Bus）で移動したのですが、１時間以上かかりました。ただ便利で安全なので、生徒の移動手段として十分に活動できると感じました。

今回の視察について

ハワイ視察での発見や気づきとして、
●ハワイのすばらしさ
・人のすばらしさ（暖かい雰囲気、思いやりの心　等）
・自然のすばらしさ（美しい海と山、植物　等）
・学ぶ環境としてのすばらしさ（学ぶ素材が豊富、安心・安全）
がありました。

それを踏まえて今回の視察を一言で表すと、
「発見・感動・意欲」です。

「発見」は、知らないこと・知らなかったこと、さらには曖昧だったこと、自分の認識が違っていたこと、そのようなことから本当に新たな発見がありました。
その発見を通じて多くの心を動かされるような感動がありました。また、人や自然との触れ合いを通じて様々な感動を得ることができました。
この発見・感動を、生徒にもぜひ味わわせてあげたいというのが今一番感じていることです。

訪問先については、当校で連携している大学や、他のＳＳＨ校から、多くの学校を紹介してもらえました。ネットワークを使って訪問先を見つけるとよいと思います。

現地では、日本と比べて食事が高いので、生徒がハワイ研修を行う場合は、食事がすべてついた行程にしようかと考えています。現地の交通手段に関しては、公共交通機関のThe Busや、アプリでの配車サービスが使えるので、そこはうまく生徒に使わせたいと考えています。

【福井県立若狭高等学校（福井県 公立） 林絵梨奈 先生】

林先生の3日目の訪問先

・ダイヤモンドヘッド
・カイルア高校
・ハワイ大学上廣哲学倫理教育アカデミー

「カイルア高校」「ハワイ大学上廣哲学倫理教育アカデミー」をクローズアップ！

訪問した理由

当校では p4c（philosophy for children）という知的セイフティを重視した形式を問わない自由な哲学対話の手法によって、 “対話” のセンスとスキルを身につける活動に力を入れています。対話を通して自分の考えに気づき、自分の言葉で表現する力、問いを深める力などをつけることを目的としています。このp4cを主軸として訪問先を決定しました。

「カイルア高校」は以前から若狭高校と交流がある学校で、「ハワイ大学上廣哲学倫理教育アカデミー」は、p4cを研究しているアカデミーです。
対話の方法や進め方など基本的なことは勤務校内で学ぶことができましたが、自らの専門教科（社会科）での対話の活用法を学ぶ機会はなかったため、実践している授業を見てみたいと思いました。
対話の研究機関である大学とそれを本場で実践する高校現場を訪問することで、対話の楽しさや奥深さを肌で感じることができました。

海外研修に向けて生徒たちが授業内で対話を行ったのち、ゆくゆくは本場ハワイにてカイルア高校やハワイ大学の学生との直接対話を実現したいと思います。

カイルア高校

Plan Vanillas（p4c）を用いた、社会科の授業を見学しました。対話テーマの決め方、振り返りの仕方が、若狭高校でのものと全く異なっていたことに衝撃を受けました。

何について考えるのか、いつまで考えるのかなど、対話においての進め方が何もかも生徒主体でした。例えば、「冬休みは何がしたいですか？」「クリスマスに何が欲しいですか？」「人間はどうして中毒になるのだろうか？」などの身近なテーマで対話をしていました。
教室には「safety」を確保するための貼り紙が大量にされていたことにも驚きました。日本では授業に集中するために教室内の特に黒板付近の掲示物は少なめにする傾向がありますが、ハワイの訪問校では正反対でした。誰もが安心できることを最優先に考え、安心できる言葉で教室が埋め尽くされていました。それが生徒の手作りだったことにも感動し、自分が考えたことを、自分が表現したい方法で表現し、他者に伝えられるような工夫がなされていることを実感しました。

今回新たに知り合うことができた先生を通じて、今後研修の際にもお世話になりたいと思っています。

ハワイ大学上廣哲学倫理教育アカデミー p4c研究室

大学では、自分の授業における対話の進め方についての助言をいただきました。
●柔軟に考えることの大切さの再認識（生徒一人ひとりの良さをみてあげることが大切！）
●無理にp4cをしようと思わなくても良いから、生徒の「楽しい」を引き出せるような工夫を。若狭高校の生徒にとってp4cが最もしっくりくるのであれば、p4cを続ければ良い。
●ディベートではなくお互いを尊重し合いながら、他者の思いを引き出していくことの大切さ、面白さを生徒に感じてほしい。

生徒がハワイで研修を行う際には、言語の壁を越えた対話ができることを目指します。多様性の宝庫であるハワイで多様な価値観に触れ、他者を認め尊重することと、自分という存在の素晴らしさ、尊さに気づいてほしいと思っています。生徒が自身のウェルビーイングに気づき、実現できるように。

ハワイ大学食堂でランチ

大学の食堂でランチをしようと食堂へ。
展示されていた見本を見て、「この量なら食べ切れそう！」と思い、販売されているもののなかで最も小さいサイズの $8.50 のプレートを注文したところ、出てきたサイズにびっくり！
ランチボックスに、どんぶり茶碗大盛り1杯分ぐらいの量のチャーハンと大きなチャーシューが入っていました！（見本横のサイズ説明には4オンスと書いていましたが、絶対4オンスどころじゃない…！）

p4c研究室の先生にこの話をしたところ、ハワイ大学の学生でも食べきれない人が多いと教えていただきました。半分を昼食として食べ、残り半分を夕食として持ち帰る学生もいるとのことで、そのような事情もあり、プレートではなくランチボックスで提供されているようです。

今回の視察について

今回の視察を一言で表すと、
「新たな自分との出会い！！」です。

ハワイのゆったりとした時間となんでも包み込んでくれるような多様性あふれる空間で過ごしたことで、日常生活の中で忘れていたさまざまな自身の思いに気づくことができました。
なかでもAloha、Mahaloといった言葉との出会いが最も大きいと感じています。単なる挨拶だけではないその奥に存在する思いに触れたことで、帰国後、会話の後に、口には出さずとも自然と心の中でMahaloと付け加えるようになりました。

また、ハワイの素晴らしい文化や日本との繋がりについて知ったことで、ハワイの良さだけでなく、逆に日本の良さに気づけたことも大きな収穫です。海外に行くと価値観が変わる、とよく聞いたことがあるのですが、そんな単純な言葉では表しきれないほどの自分自身の変化を感じました。

視察先を探す際に苦労したこと

訪問した2校とも元から若狭高校と繋がりのあった学校だったため、学校としてのアポイントは問題ありませんでした。ただ、◯◯先生を訪ねたいと、現地の学校の窓口になっている先生に伝えたところ、スムーズに連絡がいきませんでした。返信がなかなか返ってこない、返ってきたと思ったら全く異なる話題についてだったなど。アポイントを取るだけで数通のメールのやりとりがあり、1ヶ月ほどかかりました。

視察先に持参した若狭高校の「宇宙鯖缶」

宇宙鯖缶について 若狭高校がある小浜市は古くからサバが大量に漁獲され、御食国として京都へサバを運んでいました。その時に通った京都まで続く道を鯖街道と呼びます。現在はサバの養殖が盛んで、酔っぱらいサバという小浜ならではのサバも有名です。そんな小浜市のマサバを使って、作られたのが若狭高校の宇宙鯖缶です。
宇宙鯖缶は、当時小浜市にあった小浜水産高校の生徒と現在の若狭高校海洋科学科の生徒が地元企業の方と協力し開発しました。JAXAに認証していただき、実際に宇宙飛行士の野口聡一さんに宇宙で召し上がっていただくことができました。メディアに取り上げていただいたことや、英語の教科書にも掲載されたことから若狭高校といえば宇宙鯖缶というイメージを持ってくださる人もいると思います。
今回この鯖缶を視察に持参し、視察先の方にお渡しさせていただきました。この行動に至った経緯としては、私が教職に就く前に若狭地域で地域おこし協力隊として活動していた経験からです。せっかくハワイを訪れるならハワイの方に若狭地域の魅力を伝えたいと思い、視察先の方に鯖缶をお渡しすることにしました。宇宙鯖缶をきっかけに若狭高校の生徒のことはもちろん、若狭地域の魅力について知ってもらい、若狭地域とハワイを繋ぐ架け橋となれば嬉しいです。

12月にハワイ視察をおこなった9名の先生の独自の視察先情報を、3回に渡ってお伝えしました。いかがでしたでしょうか。
どの先生方も、各校、また地域の状況や課題を大切にしながら、生徒の探究型海外研修をハワイではどのように行えるか、生徒の自主性に重きをおいた視察をおこなっていました。

今回のプロジェクトに参加された先生方からは、視察先の計画・開拓などを経たことで、自らが探究活動をおこなって、様々な発見や気づきを得たという声をたくさんいただきました。
教師自らがプロデュースする、探究型海外研修がたくさんの学校に広がることで、よりフィットした質の高い生徒の海外研修の実現につながることでしょう。

「トビタテ！留学JAPAN」では、留学支援に関わる組織同士をつなぐ「留学プラットフォーム事業」の一環として、学校主催の海外研修の創出をこれからも応援していきます。