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みんなでデザインができるようになる社会を作る建築家への第一歩! トビタテ奨学生【大学生等コース】の留学ビジョン


トビタテ生情報
名前:木原葉子さん
学校:東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系修士2年
留学先:スペイン・マドリード
留学期間:2021年10月~2022年7月

留学内容

 本留学では、これからの設計手法について問い直し、新しい建築や都市デザインの方法を追求する建築家になる第一歩として、「furiistudio」「estudio sic」の2つの建築スタジオでインターンの経験をしました。furiistudioでは、地域の都市計画や開発に対する革新的な解決をデザインする実施型アイデアコンペ「Europan」 に参加し、マドリード部門で優勝できました。コンペから実施に向けた会議までの全てを通して、都市スケールから家具スケールまでの様々なリサーチやデザイン方法、アイディアを豊かに表現するための映像作成や図面作成を学びました。またestudio sicでは、スペインやスペイン語圏の国の都市リサーチや資料作成に関わったり、学生とのワークショップに参加したり、都市パビリオンコンペに挑戦したことで様々な人と幅広いアプローチからのデザイン方法について学ぶことができました。

More than farming Madrid / Biodiversity Frontyard (提案ドローイングの一部)
写真1: コンペの表彰式の記念写真。私の両側がfuriistudioの2人、右側女性は実施設計に向けて一緒に活動しているマドリード市議会の方(photo credit: EUROPAN España)

コロナ禍で留学準備をする上で感じたこと、心がけたこと

留学前は、コロナを恐れすぎないようにしていました。また、コロナ渦での留学だからこそ発見できるものもあるのではないか、というチャンスだと捉えました。できる対策は万全にし、万が一起こりそうなことを予測して、その場合どうすればいいかを準備し、どんな状況でも自分が現地でできることを考えて留学しました。

留学中は、睡眠や食事を十分にとり、近くの公園をランニングして基礎体力をあげました。そして、自分の体調の変化を意識しました。滞在中は、コロナ渦ならではの発見がありました。例えば、3月に開催された大規模な国際女性デーのデモ行進では、デモ参加者がテーマカラーである紫色を身につけており、その中で紫色のマスクをつけることがファッションの一つとなっていました。その一方で、スペインではコロナ渦においても人と外食することへの重要性や優先度が高く、感染症への考え方が異なることにも気づきました。他にも観光客が少なく、普段より治安がよかったことや、観光先が空いているなどいいこともありました。

写真2: 3月8日国際女性デーの大規模デモにおけるシベーレス宮殿前、紫のマスクを身に付ける人が見られる (本人撮影)

留学経験を生かして実現したい志

様々な問題に対して多方面から評価し、デザインから解決できることにチャレンジできる建築家になることです。デザインすることは、ただかっこいいものを作るだけではなく、その場所の歴史、人々の文化や習慣といった暮らしにつながるものを総合的に知り、そこから見えてくる問題を解決することだと思います。

日本と全く異なる文化や習慣があるスペインでの留学経験は、全く異なる背景を持つ人や考え方が異なる人など様々な人と関わる面白さと重要さに気づき、同じことも捉え方でデザインが変わることやデザインの可能性が広がることに気づきました。また、スペインでの生活で「良いてきとうさ」があっていいということにも気づき、様々な事を受け入れることが楽しめるようになりました。この気づきは私が目指すデザインに関わってみたい誰もが参加できるような設計への一歩になったと思います。

意気込みをひとこと

私はこの留学が初めての海外でした。それは自分が初めて「外国人になる」という経験でもあり、自分で日本や自分自身を客観的に評価する機会にもなりました。24年間日本で缶詰状態だった私が初めて見た世界では、考えたこともなかった発見や、日本では気づかなかったことなど、いろんな発見がありました。そして現地の仲間と毎日楽しく過ごした日々は、自分が新しい環境にすぐに順応でき、自分なりの楽しさを見つけて生きていけるという自信にもなりました。

スペインでの発見や知識、現地での様々なコミュニティをたくさん作れたことは、無形である一方で私にとって最大の価値になりました。今回得たこの無形の価値を自分のものにして、これからの人生の糧にしていきます。

写真3:仕事のメンバーとの写真(友人撮影)

後輩のみなさんへのアドバイス

私はこの留学で「常識」がなくなるおもしろさに感動しました。「カルチャーショック」というものをどう捉えるかで留学を楽しめるかは変わってくると思います。あくまでも現地のしきたりやリズムに合わせてみるという経験も楽しいし、どうしても譲れないところは自分の習慣とハイブリットしてセルフカルチャーを作ってみるのも楽しいです。また、些細なことに対してなんで?と疑問を持ち尋ねることや、自分では考えてなかったことを聞かれたりすることも新しい発見に繋がりました。私はカルチャーショックでショックにはならず、「これがカルチャーショックか!」と一つの発見として捉えて楽しむことができました。

また旅行先では欧州で留学するトビタテ生と積極的に会い、日本とスペインと友達の留学先での共通点や違いなどをその場で議論できた経験は、日本と比較するだけでなくスペインも客観視できるとてもいい機会になりました。

ぜひ留学していろんな発見をし、その環境でできることを最大限やってみてください。


いかがでしたか?

他にも、コロナ禍を乗り越えてトビタテ奨学生としてトビタち、留学生活を送っている若者の志と意気込みをマガジンにて配信中!
ぜひ、様々な留学を経験している奨学生の記事もチェックしてくださいね。

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