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海外ルーツを持つ子供への日本語教育を通した多文化共生社会形成 トビタテ奨学生【大学生等コース】の留学ビジョン


トビタテ生情報
名前:鍬先美穂さん
学校:熊本県立大学 総合管理学科 4年
留学先:ドイツ・ハイデルベルク
留学期間:2022年3月~2023年1月

旅行で行ったドイツ・ハンブルク市庁舎

留学内容

 日本に住む海外ルーツを持つ子供へ日本語教育を学校外で行うことのできる環境作りを学ぶためにドイツへ留学しています。ドイツは移民・難民が多い国であり、街のあちこちからドイツ語以外の言語が聞こえてきます。国の事情や家族の事情でドイツに来た海外の子供が、現地(ドイツ)でスムーズに生活したり学校へ通うための、支援環境の仕組みについて学びます。現地では現在、海外から来た人が無料でドイツ語を学べる教会でボランティアをしています。私は主に子供とドイツ語で声かけをして遊んだり、来た人にカフェやお菓子を配ったりの手伝い、ボランティアする人や移民・難民の人の話を聞いています。留学後半では、ドイツに住む日本ルーツを持つ子供への日本語補習校でも活動や、教会以外の移民・難民の子供とかかわるボランティアをする予定です。

コロナ禍で留学準備をする上で感じたこと、心がけたこと

私は実践活動のみでの留学なので、現地の正しくかつ最新情報を手に入れることが難しかったです。また、人と直接触れ合う活動の為、実際にドイツに来て活動を開始するまで受け入れできるか分からないとも言われました。私の場合は私の住む県の国際交流会館で、ドイツ人交流員の方に、ドイツのコロナ禍事情を提供してもらったり、活動先へのメールのアドバイスや添削をして頂くことができました。熊本市と留学先であるハイデルベルク市は友好姉妹都市であるのでドイツに住む熊本の会の方にメールでコンタクトをとり、自分に合ったボランティア先を探しました。現地でもたまにお会いして、直接ボランティア先に繋いでもらっています。現地でさえ活動先にメールを送っても返事がないことはよくありました。ですので、信頼のある現地の人からの方がボランティア先に話を通してもらい、とてもスムーズにボランティア先とコンタクトを取ることができました。

留学経験を生かして実現したい志

日本に住む海外ルーツを持つ子供は主に、アジア中心ですが、現在日本ではウクライナから避難をして来ている子供も見られ、海外から来た子供が日本語で学校生活を送る場面をニュースで見かけ、ますます日本も外国人が多く住むようになっています。現地では大学生という若い人が移民・難民の人へ言語を教えて、カフェのようにおしゃべりを楽しむ感覚でドイツ語を学んでいました。日本では大学生や高校生という若い人が中心となった、日本語を学ぶ場を作りたいです。その活動では、言語ももちろん、学校生活や進学から小さな悩みまで、子供からお兄さんお姉さんに話す感覚で気軽に話してもらえるような活動をつくりたいです。

意気込みをひとこと

私も留学に挑戦することにかなり悩んでいました。ですが、今留学していなかったら一生後悔すると思い思い切って留学しました。準備から現地生活も大変なこと、辛いことはありました。ですが、行動しないと何も起きません。行動すれば何か次につながる情報がもらえたり、誰かが助けてくれて、何かアクションはおこります。努力は報われるとはこのことだと感じました。さらに、自分の頑張りを誰かに認められ、相談できる人・同じ環境で留学する同期がいることでもがんばれています。また、学校では同じ年の子しか関わらないのですが、実践活動では現地の方との交流が深まりました。最初は「あ~日本人がいる」との程度しか見られてなかったのですが、「よく動いてくれる!」「助かった!」など言ってもらえたり、現地のイベントを教えて貰ったり、ボランティア先の方のお家にお邪魔したりするほどまで、仲を深めることができました。

教会でドイツ語を学べる場の子供の部屋の様子

留学中のエピソード

私はウクライナの戦争が始まって1週間後程にドイツへ飛び立ちました。そのため予定していた飛行機が前々日に変更になり、前日に予定していた東京のホテル、東京行きの飛行機、当日のドイツ行きの飛行機全てキャンセルになりました。私は東京行きまでは格安航空でチケットをとっていた為、お金は一切返ってきませんでした。幸いドイツ行きは信頼のおける大手会社へオープンチケットを取っていたので、コールセンターに電話をして無料で都合の良い時間の飛行機に変更をしてもらえました。それに連なって、現地で寮に入る為に前泊をする必要も出てきました。私にとって過去一番大変な移動になりました。パッキングも前日まで完璧に終わらせてなかったので、何事にも時間に余裕持つことで、心にも余裕ができると感じました。信頼のおける航空会社で、時間に余裕のある行動計画で、落ち着いて対応することが大事だと身をもって体験しました。

ハイデルベルク城から見えるハイデルベルクの街並み

いかがでしたか?

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