人を助ける最先端小型ドローンをつくる トビタテ奨学生【大学生等コース】の留学ビジョン
留学内容
ドローンをはじめとした自律移動ロボットの社会生活での更なる利用拡大のため、現状のドローンの課題解決に向けた1年間の研究留学をしました。特に、ロボットの性能向上の有用な1手段である生物模倣に注目し研究しています。
留学先では、教授やラボメイトとのディスカッションやチームワークにより研究を進め、後半では大学が保有する世界最大規模のモーションキャプチャシステム(ロボットの位置をリアルタイムで取得する装置)を用いて、生物の飛行を模倣したドローンの飛行実験を行いました。
また、留学では日本とは全く違う環境で暮らすことになり、生活の中で色々な困難に直面しました。同時に技術者の視点で留学先の社会を見ることで、日本にいたときには気づかなかった製品やサービスの価値を認識することができました。
コロナ禍で留学準備する中で感じたこと、心掛けたこと
「絶対に安心・安全」はありえないということを痛感し、最悪のシナリオを想定して、そのときに取れる選択肢を考えておくことを心がけました。
私はコロナ禍で留学が見通せない中で1度就職活動を行ったため、2021年夏に留学が可能になったとき、第一希望の企業の内定と留学(内定辞退)の2つを天秤にかけなければなりませんでした。
折しも日本ではデルタ株で感染者が激増する中であり、変異株の発生も指摘されていたため、途中帰国の可能性もありました。
しかし、世界的に困難な状況だからこそ海外に出て得られる経験には価値があること、また最悪途中帰国になっても、オンラインでの共同研究の継続や、日本での長期インターンシップなどできることをやれば、留学せずに就職するのに劣らぬ良い経験ができると思うにいたり、留学を決断できました。途中帰国になってもいろいろなことができると思え、具体的な選択肢も考えられたことが心理的な安心感にも繋がりました。
留学中のエピソード
研究室へ研究留学する場合にも、研究以外のコミュニティでの活動にも積極的に参加することをおすすめします。
自分は研究室の他に、NASAのコンペに向けて小型の人工衛星を作る学生サークルにも参加しました。50人以上の規模のプロジェクトになり、自分が担当したのは1部品の選定でしたが、アメリカの学生や留学生と一緒に頭を悩ませながら、英語でのディスカッションやチームワークを鍛えることができました。
またモノづくりからも離れて、地域のコミュニティにも参加しました。Baha'iという宗教のコミュニティで、日本にいたときはあまり関わりを持とうとは思わなかったと思いますが、実際に関わることで、宗教が老若男女を含めた地域のコミュニティ形成やウェルビーイングに果たす役割を体感することができました。自分は信仰を抱くには至りませんでしたが、視野を広げる良い経験になりました。
留学経験を生かして実現したい志
世界中の人とのチームワークで、国ごとのニーズを踏まえたモノづくりができるエンジニアになりたいです。そして、かつてスマートフォンが広がったように、世界中で使ってもらえるロボットやモビリティを生み出したいです。
アメリカ人や留学生とのチームワークでは、モノづくりにおいてはアイデアを論理立てて伝えれば、国籍も経験も関係なく受け入れられて、より良いものを一緒に作り上げられることを実感し、そのための語学力も身につけることができました。
一方で人々が技術に求めることは、国の文化や環境に応じて違うことも学びました。例えばクルマについて、アメリカでは直線的な道路を何時間も運転することが多く、車線維持や先行車追従などの機能は日本以上にありがたがられていました。
臆せずに丁寧に意見を伝えること、オフィスから現地に出て行ってニーズや環境を確かめること、留学で学んだこれらのことを今後も実践して行きたいです。
後輩のみなさんへのアドバイス
留学は準備段階でさえ大変なことがとても多いです。留学先の大学や研究室、インターンシップ先などを自分で見つける場合には、相手からメールの返事がもらえないなど、困難に直面することが多々あり、ストレスも多く感じます。しかし、これらの困難に直面すること自体が留学の価値であると思います。相手が返事をしたいと思うような魅力的なメールを書くために頭を悩ませること、返事が遅いときに相手にどんな事情があるか想像力を働かせてみることなど、頑張った分だけ成長していることに後で気づけます。そして留学できた暁には、苦労に見合う新しい経験や楽しい体験が得られます。頑張ってください!
いかがでしたか?
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