EKKYO.SUMMIT @ SENDAI DAY 1 2023.2.3「復興の地を巡り、ともに明日を考えるフィールドトリップ」レポート
2023年2月3日(金)〜5日(日)の3日間、仙台で EKKYO.SUMMIT@SENDAI が開催されました。
このイベントは、代表のトビタテ14期生の田中律羽さん、トビタテ生や現役大学生が中心となった運営メンバーとともに、他のトビタテ生や東北大の学生、研究者、震災復興の現場で活躍する人々を巻き込んで実現したものです。本記事では、EKKYO SUMMIT についてと開催初日の模様を写真と共に、トビタテ事務局スタッフが体験レポートします。
EKKYO.SUMMIT とは?
日本がこのまま東の果ての島として埋没していくのが悲しい、こんなひたむきで優秀な技術者の力が最大限発揮されないのはもったいない、という思いから、工学系技術者向けの起業家教育やスタートアップの立ち上げを学びにデンマークとドイツに留学していたトビタテ 第14期生の田中律羽さん。
「トビタテだけでもこんなに面白くて熱量に溢れた人たちがいるのに、繋がれてないってもったいない」と2022年8月にドイツ・ミュンヘンにて、15カ国から集まった48名のトビタテ生とともにTobitate! Euro Summit を開催しました。
後に、数回開催したオンラインイベント・越境カンファを経て、日本の尖ったYOUTH(若者)・コミュニティ・企業の掛け合わせ、留学したからこそ得たものの共創によるアウトプットの場を作りたい、と EKKYO HUB. を立ち上げます。今回のEKKYO SUMMIT は、トビタテ生だけでなく、東北大の学生、研究者、企業を巻き込んでの開催となりました。
フィールドトリップ 震災遺構 仙台市立荒浜小学校
仙台駅からバスで30分ほどで到着したのが、仙台市立荒浜小学校。
児童や教職員、住民ら320人が避難したその校舎では、地震の1時間後に津波が校舎の2階まで到達した様子を生々しく残しています。
ここでは職員の方に、当日の被害の状況や、インタビュー映像、かつての荒浜地区の模型を見せていただき、かつては豊かな松林と住宅地があったこの地区を襲った津波の脅威を目の当たりにしました。
続いて、オンラインを駆使して日本各地やイギリスで学んできたトビタテ生、今村柚巴さんによる、仙台で活動するゲストのみなさんとのトークと交流の時間。仙台の復興に取り組む建設会社の社長の人柄に惹かれ、今では仙台で働く方、災害教育や、災害文化醸成の研究をされている方を突き動かした、人生のターニングポイントについて伺います。
それを受けて、参加者全員が、人生のターニングポイントマップに自分のエピソードと写真を投稿し、ゲストや参加者同士での交流の時間を持ちました。
東北大学で防災について研究するゲストの方からは、遠くからでもひとめで避難経路がわかる防災アドバルーンの構想についてのシェア。参加者も遠くからでも視認性の高い、言葉の通じない外国人にも伝わるアドバルーンのデザインに挑戦しました。
アクアイグニス仙台で学ぶ被災の現場と感謝報恩
次に向かったのは、津波で被災し防災集団移転が行われた地域で、温泉棟やレストラン、保育園、農園が立ち並ぶ複合商業施設、アクアイグニス仙台。
施設見学の後、困難と危険を極めた被災現場のがれき処理を担ってきた株式会社深松組・深松社長のお話を伺いました。建設の現場で使う重機をフル稼働して、ガラスや釘がいっぱいで、家庭用洗剤が化学反応を起こして濃硫酸に、有機物がゴミ山の中で発火しなかなか消化できない、といった危険だらけのがれきを撤去し、行政や被災を経験した神戸との連携にも取り組んできたお話に参加者一同衝撃を受けました。深松社長から最後に、家族分の食料1週間分・車の燃料は常に満タンに・家族との待ち合わせ場所をしっかり確認。若い人が生きている間に必ず大災害は起きる。逃げて、生き延びてほしい、というメッセージをいただきました。
一流シェフによるイタリアンディナーをいただきながら、アクアイグニス仙台の施設を素材に、SNS投稿を競うフォトコンテスト。優秀者には、賞品が送られました。SNS映えする写真や動画の投稿を競いながら、応援したい地元の取り組みを発信できる、若者らしい視点が光っていました。
参加者一同、翌日以降のサミットに期待を膨らませつつ、DAY2&3 へのレポートに続きます。