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アメリカ獣医専門医を目指して日々勉強、研究に奮闘中 in CANADA ~コロナ禍の留学リアル体験談~

鍋田 梨奈 NABETA Rina
大学名(国):サスカチュワン大学(カナダ)
留学内容:アメリカ獣医臨床病理専門医になるための理論と実践

1)アメリカ獣医臨床病理専門医になるためのレジデントトレーニング
臨床病理を専攻、実際に診断業務を行いながら、動物の病気診断を専門に学んでいます。現地の獣医学生に対して、臨床病理の授業や実習のインストラクターもしています。

2) 小動物のがんの研究 
血液中に含まれるタンパク質を質量分析器を用いて解析、ねこの悪性腫瘍に対する血液診断マーカーを探索しています。

コロナ禍の留学で大変なことは?

許可を得ない限り基本的に大学は立ち入り禁止となっており、大学全体(講義、診断、実験など)でこれまでのやり方を大幅に変更しなければいけなかったため、新様式に慣れるまでは大変に感じました。また、感染対策で世帯をまたぐ屋内の集まりは禁止されており、友人と直接コミュニケーションをとる機会が減っていることが課題に感じています。もちろん日本人の友人や家族ともパンデミック以降は一度も会えていません。

逆に、コロナ禍でもリアル留学してよかったことはありますか?

診断業務やティーチング、研究など、オンラインでの代替が難しいことを体験できていること、熱心で信頼のおける先生方や、苦労をともにしながら助け合える友人たちと出会えたことです。また、カナダは自然が豊かなため、近所を散歩しているだけで野生動物に出会えることも、現地に来なければ味わえない貴重な経験だと感じています。

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将来のビジョンは?

獣医臨床病理の専門医として、痛みの少ない検査から動物の病気を正確に診断することで、動物たちと動物にかかわる人たちの、健康で豊かな生活をサポートしたいと思っています。新しい検査方法の確立につながる研究も引き続き行っていきたいと考えています。また、日本では獣医臨床病理の専門医育成システムがまだなく、専門医が足りていない現状があるので、自分が得た知識や経験を日本の学生さんや先生方と共有したり、国際交流の活性化も行っていけたらと思っています。ゆくゆくは、北米にひけをとらない専門医を日本でも育成できるような環境を整えていきたいです。

渡航しての留学を検討している方へのアドバイス

ただでさえ予期せぬことが起こる留学ですから、現在の状況を考えると、とても不安が大きいことと思います。検討中の方は、すでに現地にいる人に直接コンタクトをとってみると、より具体的にイメージしやすくなるのではないでしょうか。勇気ある撤退も時には必要となるかもしれません。今回諦めたとしても、永遠に機会がないわけではありません。逆に、今しかできないこともあると思います。どちらにせよ、限界まで悩んで決断したら、あとはその決めた道をまっすぐに進んでいくのみです。みなさんのご活躍をお祈りしております。