【イベントレポート】「トビタテ!留学JAPAN第1ステージ成果報告会~第2ステージに向けて~」を開催しました。
2022年11月18日(金)16時より、文部科学省内講堂にて「トビタテ!留学JAPAN 第1ステージ成果報告会~第2ステージに向けて~」を開催しました。
支援企業・団体の皆様をはじめ、これまでトビタテのプロジェクトにご尽力いただいた方々をお招きしました。当日は永岡桂子文部科学大臣も出席し、トビタテ生50名弱を含む、およそ150名が参加し、盛会となりました。
イベント前後にはトビタテ生によるポスターセッションや、オリンピックメダリストのパネルやプロサッカー選手のユニフォームなど、トビタテ生の活躍を紹介する特別展示をし、来場の皆様に観覧していただきました。また、トビタテ第2ステージの留学応援のコンセプトを込めた「トビタテ応援旗」もお披露目され、記念撮影スポットとなりました。
第1部:第1ステージ成果報告
開会に先立ち、フランスで演出を学ぶ留学をした小原花さん(大学生等コース1期)の企画・演出によるオープニングアクトが披露されました。
トビタテの多様性を表現した複数の言語による歌唱と身体表現によるパフォーマンスがオープニングを飾りました。
開会宣言
開会に先立ち、エグゼクティブアドバイザー船橋力よりトビタテ!留学JAPANの第1ステージを支えてくださったステークホルダーの皆様へ感謝を込めた挨拶をさせていただきました。立ち上げ時の思い出も振り返りつつ、「地方へ行けば、大体トビタテ生が活動している現場に巡り合える、人と会えばトビタテ生のことを知ってくださっている」「目立っているトビタテ生だけが素晴らしいのではない、支援くださっている恩をトビタテ生みんなが何らかの形で社会に還元していることを実感している」と、長きにわたりプロジェクトを引っ張ってきたディレクターだからこそ見えるトビタテの景色を語りました。
トビタテ奨学生留学報告
コロナ禍に留学し、直近に帰国したトビタテ生による留学報告、まずは韓智媛さん(高校生コース7期)が登壇しました。
留学タイトル:世界の「形」を探して
韓さんはもともとアメリカ留学を志して、トビタテ奨学生に採択されましたが、コロナ禍による3度の渡航延期の末、イギリスに渡航先を変更して留学しました。留学先ではロンドンでの建築巡りや、進学志望する大学の建築学部の訪問と大学の講義に参加しました。
現在は、BLUE SKY PROJECTという団体を立ち上げて「日本の各都道府県の魅力」と「日本のお弁当文化」をトビタテコミュニティを巻き込んで世界中に発信しています。
次に田中律羽さん(大学生等コース14期)による留学報告です。イベント当日はドイツ ベルリンに留学中だったため、オンラインにて留学報告をしてくれました。
留学タイトル:技術×デザインで日本の技術力に新たな付加価値を与える
田中さんはものづくりや研究をするべく大学進学をしたのですが、大学教授の「工学部の学生こそビジネスを学ぶべきだ」という一言、海外の工学部の学生は市場との距離が近い状態でものづくりをしていたことに衝撃を受け、留学を志したそうです。そして、デンマークの大学にて技術者への起業家教育のプログラムに交換留学生として参加し、ベルリンにてエコシステム形成に関与する企業へのインターンをしています。
社会人トビタテ生パネルディスカッション
留学を経て、社会で企業でどのような活動をしているのかを感じていただくべく、社会人トビタテ生によるパネルディスカッションを実施しました。
留学で得たもの、トビタテコミュニティで得たもの、もしくはこれからの未来に向かってやっていきたいことをそれぞれ語っていただきました。
寺島さん
「トビタテで得たこととして、僕はコミュニティが一番よかったかなと思っています。トビタテの留学は他の奨学金と違っていろんな分野の幅広い多様な方と一緒に同じ時期に飛び立つということもあって、同年代の色んな優秀な学生であったり、音楽家、スポーツ選手の人たちと知り合えたのが良かったなと思います。今でも関係が続いておりますし、トビタテに応募していなければつながることはなかったかなっていう風に思っています。
会社で働いていると、もっと外の世界を知りたいと思うことがあって、そういうときにすごいトビタテのネットワークが生きているなと思います。起業家の方々とは違うトビタテの良さを大きな会社の中にいると感じられます。」
吉永さん
「私にとって本当に一番大きかったのは、壮行会の時にこの同じ文部科学省の講堂で、孫正義さんのお話を聞けたことです。私はこの会場がとても好きで、自分の夢が始まった場所でもありますし、飛び立った最初の場所でした。今でも覚えているんですけど、8年前に壮行会で孫さんがここに立って自分の幼少期の話をしていたんですね。私も華僑として日本と縁があり、小さいときに同じような経験をして色んな大変なことを経てここまで来ているんですけど、当時は席に座って話を聞きながら涙が出てきました。今日はその時とは違う立場で皆さんの前で自分の成果をシェアできるロールモデルとして来ていて、数年後は皆さんが座っているところに戻り、自分も立派な会社をつくって、多くの学生を支援していけたらなと思っています。」
佐久間さん
「自分がトロントに留学したのは大学1年生、2年生のときだったので、自分がこれからやりたいと思うことの輪郭を見にいくような非常にモラトリアム的な留学の側面があったなと、今思うとそれがすごく大きかったです。日本の理系や情報系であれば、まさに技術とかそういったところから広げていく風に考えがちなのですが、向こうの方と話していると、現代における行き過ぎた寛容さの個人への押し付けとのバランスというのが技術によってどれだけ耐えうるのか、今、分断をまさに私たち自身が体験している過渡期だからこそ、新しい社会システムのモデルを再提案できるんじゃないかといったことに留学先で気づくことが良かったです。人のつながりについても、「今トロント来ているよ」と発信するだけで色んな人からご飯に誘われるような繋がりが嬉しいなと思いながら、再びトロントに滞在しています」
感想シェア
それぞれのセッションの後には感想シェアの時間をとり、トビタテ生、支援企業・団体、学校関係者の皆様のグループにて留学や人材育成などへの想いを語り合ってもらいました。
第2ステージのコンセプト説明
セッションの後は第2ステージのコンセプトをトビタテ!留学JAPANプロジェクトディレクターの荒畦より説明いたしました。
第2部:感謝状授与
第2部では永岡桂子文部科学大臣より、第1ステージにご支援いただいた企業・団体・個人の皆様へ謝辞を述べられるとともに、会場にいるトビタテ生へ海外留学の魅力発信を呼びかけられました。
また、グローバル人材育成コミュニティ運営幹事会代表幹事の渡邉 光一郎様(第一生命ホールディングス株式会社取締役会長)より、これまでの取り組みに対する評価とともに、これからの「トビタテ!留学JAPAN」が担うべき役目や留学していく人材への期待をお話いただきました。
その後、永岡大臣より、第1ステージにご支援いただいた企業様を代表して、青野文寛様(ソフトバンク株式会社 専務執行役員 兼 CHRO)へ感謝状を授与いたしました。
交流会
イベント後も参加してくださった皆様と、会場にいるトビタテ奨学生が自然と輪になって、交流がはじまりました。参加者同士での留学のきっかけや活動へのご質問などで多くの方が話しており、熱気冷めやらぬまま、大いに盛り上がりました。
コロナ禍の影響も残る中、大変多くの方にご参加いただき、対面開催できたこと、事務局一同、心から嬉しく思っております。御参加いただいた皆様、オンライン配信をご視聴いただいた皆様、どうもありがとうございました。
第2ステージにおいても、日本の留学とグローバル人材育成を盛り上げていきますので、今後ともトビタテ!留学JAPANをよろしくお願いいたします。