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「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム春季事後研修」のグローバルリーダー講演にて、武田薬品工業株式会社 代表取締役 日本管掌 岩﨑真人様に御登壇いただきました。

2023年3月12日(日)トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム春季事後研修は、「志を持って行動し続けること~次世代のグローバルリーダーに向けて~」をテーマに武田薬品工業株式会社 代表取締役 日本管掌 岩﨑真人様に御講演いただきました。

キャリア構築とは:タケダにおける自らの軌跡を振り返って 

御講演では、最初に、創業242年という歴史ある企業として、誠実・公正・正直・不屈を道しるべとし、海外の従業員にも分かりやすく、PATIENT(患者さんに寄り添い)、TRUST(人々と信頼関係を築き)、REPUTATION(社会的評価を向上させ)、BUSINESS(事業を発展させる)という日々の行動指針に落とし込んでいる旨をご紹介されました。

次に、ご自身の1985年入社からのタケダにおけるキャリア構築について、時代背景やタケダの歴史とともに自らの軌跡を振り返られ、目指していた研究者としての道でなく営業マンとして進むことを選択した日から、糖尿病治療の全国のスタンダードを創るべく糖尿病領域のプロダクトマネジャーとなったことが、ご自身の最初のターニングポイントであったことをお話されました。当時は糖尿病の治療において全国で統一したやり方がなされていたわけではなく、血糖のレベルを測る指標の数値目標もドクターによってもエリアによっても違うといった状況だったそうです。身近な人たち、家族や親戚がもし偶々受診した病院やクリニックで間違った診断をされたらと思うと居ても立ってもいられず、全国を動かしてでも指標の数値目標を下げて糖尿病治療を何とかしたい、啓発活動もしなくては世の中変わらないという思いで全国を走り回ったのが35歳の頃だったとのことです。

そして、ニューヨーク証券取引所に上場した際、かつて社長に「タケダはグローバルに統合された日本初の研究開発型の製薬企業になる」と言われ、今まで製品戦略の仕事をしてきたその言葉がふと甦り、この姿を見るために自分は今まで18年間やってきたのだと思い出したこと、薬の研究開発やグローバル化のきっかけとなった会社の買収等、会社の成長の過程とご自身の目指してこられた姿について語ってくださいました。併せて、次の世代をつくっていきたい、何とかしてサポートしたいという気持ちがその時に出たとおっしゃっていました。

変えてはいけないものは変えない。変えるべきものは変える。


そして、岩﨑様が今やらなければならないとしてやってこられたのは、「変えてはいけないものは変えない。変えるべきものはどんどん変える。」ということだそうです。企業のグローバル化に伴い、グローバルになればなるほど基盤が大切であるといいます。変わらぬ価値観と企業理念の進化についても語られ、存在意義・目指す未来・価値観としてのタケダイズムは変わらないが、更に世界に広がったことで、企業理念を見直し、PATIENT(すべての患者さんのために)、PEOPLE(ともに働く仲間のために)、PLANET(いのちを育む地球のために)といった3つのPに表し、データとデジタルの力でイノベーションを起こすということを新しいCorporate Philosophyとした旨を説明されました。

求められる人材像

そして、今後の世の中を動かしていく次世代のグローバルリーダ―として、求められる人材像の大切なポイントを指摘されました。
〇会社や組織に依存しないで、その上でリーダーシップを取る覚悟や自信をもち、自覚をもって、自分が世の中を動かしていくのだという気概
〇自らリスクをとって大胆に変革するマインドとスキル
〇グローバルで多様性に富む環境下でのコミュニケーションスキル

課題はギフト

質疑応答の際には、講演の投影資料にあった「課題はギフト」というフレーズについての質問もあり、その言葉の意味を回答くださいました。曰く、新しいことをやろうと思うと課題だらけだが、課題があると人は勉強する。そのことが、本当に大切なギフトだと振り返ってそう思う。10年先の自分を想像し、そうなるためにどんな経験やスキルが必要か等考えた時に、自分が今持っていたら一番インパクトを与えられるもの、大抵の場合は一番苦手なことに手を付けると色々な課題が出てくる。その一つ一つを経験しておくと自分にとっての財産になる。そういう意味で課題はギフトであるとのことです。

取り返せない失敗はない

講演を拝聴した学生からは、それぞれの多様なテーマでの留学を通して経験したことに基づいた様々な質問が続きました。回答いただく中で、自分のやりたいことを過小評価せず、つい下を向いてしまうときも意識して上を向き、視座を上げることの大切さについてもお話になりました。そして取返しできない失敗というものはなく、ご自身も挫折したことはないといいます。ただ、座礁したことはあり、座礁したときはどう戻るかが大切。座礁したと思ったら戻ればいい。留学から帰国して、新たに何かを始めて座礁したときはまたこの事後研修の日に戻って皆の顔を想い出してまたやり直せば良いという、勇気づけられるお言葉もいただきました。

リスクを取らないで留まろうとすること、これが最大のリスク

講演の最後には、ダーウィンの進化論に基づいた岩﨑様からのメッセージとして「今の世の中の変化の早いスピードの中で止まっていたら取り残される。だからこれだけは意識して欲しい。今までの生物が生き残ってきた進化の過程を見ても、その時に一番強いもの、一番賢いものが生き残っていたのではなく、世の中の変化に自分たちも合わせていけたもの、逆に言えば、変化を作り出した側のものが生き残っている。世の中で今これだけ社会が変わっていく、戦争が起きたり、気候変動が起きたりする中で、リスクを取らないで留まろうとすること、これが最大のリスクである。だから皆さんは、絶対にリスクを取って変えないといけない。これが皆さんの役割です。」と強調されました。

この度の事後研修は、武田薬品工業株式会社研修所の施設を御厚意により借用させていただいた上、岩﨑様にはお忙しい中、御講演のお時間をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。ありがとうございました!


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