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メリーランド留学→ソフトバンクに就職 松岡佑磨さんの就活とキャリア

松岡さんについて

就職先  :ソフトバンク株式会社
併願業界 :ITベンチャー
出身地  :広島県府中市
出身大学 :法政大学大学院 理工学研究科 修士課程修了  
留学先
  :アメリカ ジョンズホプキンス大学大学院 コンピュータ科学部
留学テーマ:世界トップレベルの環境でAI・顔認証技術を研究

「教授の「誰にでも留学チャンスがある」というアドバイスを真に受けたのは僕だけでした。英語は得意じゃなかったけど、大丈夫でした。現地ではTAなどの雑務もなく研究に没頭。世界トップの環境で得たAIの知見や研究技術は、職場で非常に大きな武器になっています。」

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「誰でも留学できる」そのことばを信じたのは僕だけだった。

実は僕は学部時代に一度留年しています。志望校に入り損ね、大学の授業がつまらなくて、まったく熱量のない学生だったのです。そんな時、たまたま参加した全脳アーキテクチャ若手の会がきっかけでAI技術に興味を持ち、同時期に自分の姿勢に危機感を感じていたこともあり、徐々にギアが入って行きました。ちなみに、大学4年次には同団体で副代表も務めました。
留学したいと思い始めたきっかけは、研究室の教授の「いまから目指せば誰だって留学のチャンスがある」ということばです。みんなに平等にそのメッセージを伝えてくれたのに、真に受けてコツコツと準備をしたのは僕だけでした。のちに世界トップの環境でのAI研究を叶えるのですが、今思えば僕の能力や学力が特別だったというより、「教授に言われたことを素直に受け止めて準備したこと、そしてチャレンジに踏み切ったこと」違いはそれだけだったのではと思います。
ただ、当時は自分の専門性に自信が持てず、大学院生になったら留学しようと考えていました。


トップ校への研究留学を叶えた方法。

院生になってから留学したいことを担当教授に伝えると「語学力はいったん忘れていい。まずは国際学会で論文を一本出しなさい」と言われました。国際学会で論文を出すと、海外の大学院に留学しやすくなるそうです。結果的に国際学会に論文は出さなかったのですが、教授がサバティカル(教員の研究休暇)でアメリカに行くことになり、代わりの手段として「コネクションを作って帰ってくるね」と言ってくれました。
そして教授の有言実行により、ジョンズホプキンス大学の教授を紹介してもらうことになりました。英語力はTOEIC600点台、特別高かった訳ではないです。それでも、面談では熱意を評価してくれ、1年間受け入れてもらえることになりました。理系の大学院生は、僕みたいに教授同士の紹介で留学先を見つけてくる人も多いように感じます。また、語学力が足りていなくても、熱意と実績で受け入れてくれるケースもあるのだと知りました。
実はトビタテ!の奨学金を勧めてくれたのも、教授です。他の学生は教授に紹介されても受け流していたのですが、元々挑戦することが好きな僕は「挑戦できる環境があるのに挑戦しない理由はない」と思い、すぐに応募しました。

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留学先のジョンズホプキンス大学の教授、NIH(アメリカ国立衛生研究所)の研究者と会談するためにワシントンD.C.訪れた際の写真


内定後の院進学、留学を応援してくれた会社。

話は前後しますが、僕は実は学部生の頃に就活をほぼ終えています。大学3年生の冬、全脳アーキテクチャ若手の会を通してソフトバンクがインターン生を募集していることを知りました。AIに関連したテーマが与えられて2週間で成果を出すプログラムだったのですが、課題と真摯に向き合う姿勢や熱意、一人でプロジェクトの計画を立てる自立性などが評価され、その後ソフトバンクの本選考に招待してもらえることに。そこで内定を得ました。
その時期、大学院に入学する前で時間に余裕もあったので、大手電気通信会社やIT関連のベンチャー企業でもインターンをしました。ソフトバンクへの入社の決め手となったのは、自分が一緒に働きたいと思える人がいた点自分の能力を評価してくれる環境が揃っていた点でした。配属可能な部署まで事前に提案してくれ、「好きなことを仕事にしたい」と希望していた僕には有難かったです。また、ソフトバンクは内定後に大学院に進学することや留学することを認めてくれていたので、大学院では留学と研究に注力しようと一層モチベーションが高まりました。


雑務がない!研究だけに集中できるアメリカの大学院。

そうして、修士1年目の9月から1年間、ジョンズホプキンス大学大学院 コンピュータ科学部に留学しました。留学の目的は世界トップレベルの環境でAI、顔認証技術を研究することです。教授や学生たちと最先端の研究について情報交換することで、自分のアイディアを仮説にまとめ、プログラミングを通してそれを検証しました。
理系学生は共感してくれると思うのですが、日本の大学院ではTAの雑務やアルバイトに追われ、研究に集中するのが難しいんです。でもアメリカでは、院生に課される最大の任務は「研究成果を出すこと」。教授の雑務を手伝う義務はありません。さらに奨学金をもらって生活費にあて、バイトをせずに研究に集中している人がたくさんいました。そういった人たちに囲まれていると、日本にいる時以上に研究に貪欲になっていきます。そして、きちんと取り組めばそれだけの成果が出るということを実感できました。

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留学先の大学前で


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留学先の都市、ボルチモアの観光名所


現地では優秀な中国人にたくさん出会いました。中国はAIの顔認証技術が進んでいます。彼らの多くは精華大学に在籍していて、卒業後はいわゆるGAFAと呼ばれる大手インターネット会社に就職していきました。そういった留学生たちと一緒に研究できたことも、いい経験でした。
プライベートでは現地の社会人がすむ家にシェアハウスをして、ボルチモアの雰囲気や文化を学びました。ボルチモアでは貧富の格差が広がっていて、治安が非常に悪い地域もありました。薬物の過剰摂取で人生を無駄にしてしまう人が多い現実を目の当たりにしたことで、将来は日本で先端技術を使った働き方改革をして、このような格差が生まれない社会創りに貢献したいと考えるようになりました。

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アメリカで仲良くなった仲間とヨセミテ国立公園に旅行した


新卒で全社MVP、2年目からはプロジェクトリーダーに。

ソフトバンクではAIシステム構築に従事しています。1年目は振られた仕事を頑張ってこなす形でしたが、2年目からはプロジェクトリーダーを任せていただけるようになりました。社内には外国籍社員も多く、多様性溢れる職場です。現在はAIを駆使して、人的リソースがかかっている業務をシステム化する仕事に携わっています。留学で得たAIの専門技術は現在も大いに役立っていますし、現地で身につけた研究手法も日々活用できていますね。アメリカの研究室は日本の大学に比べ、情報収集力が格段に高かったのです。そこで学んだリサーチ力が社会人になってからも大きな武器になっています。

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入社後にAI技術について講演


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自分がリーダーとして有志の若手社員交流会を企画


担当プロジェクトで「SoftBank Award」という全社MVPを受賞したり、社内起業プロジェクトで新規事業にアサインされるなど、とても充実した日々を送っています。

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ソフトバンクの入社式で、新入社員代表として、答辞を読んだ


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入社式の答辞メンバーで


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社内サービス展示会でサービス紹介担当に


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インターンとして受け入れた学生たちとお揃いの服を来て、会社の前で記念撮影


留学で身に付けたのは「逆算力」。

留学経験を通して得た一番の学びは「逆算力」です。前述してきた留学中の出会いや研究成果、研究手法について学べたことももちろんなのですが、計画的に準備を重ね世界トップ校への奨学金付き留学を叶えられた一連の経験が、大きな財産になりました。
実は、就職のきっかけになったソフトバンクのインターン参加も、元はといえば留学準備の一環でした。海外でも名の通った企業であるソフトバンクのインターンで実績を作れば、留学した際に現地で信頼を得られるのではと考えたのです。地道な留学準備が、結果的に就職でも奏功しました。
インターン中に評価されたのも、自分ひとりで計画を立て、柔軟に起動修正しながら遂行できる力。さらに現在の業務で若手ながらプロジェクトリーダーを任せてもらえているのも、この力があってこそだと思います。
どんなに魅力的な計画を立てても、それをそのまま実行できることはほぼありません。必ず何かしらのハプニングに見舞われます。だからこそ客観的に現状を分析して、今やるべきことを考える力逆算する力が大切になります。留学を経てこの「逆算力」を身に付けることができたと自負しています。


将来は社会に価値をもたらすモノを作りたい。社会に革命を起こしたい。

将来は自分の技術で社会に価値をもたらすモノを作りたいと考えています。具体的には、労働コストを減らして幸福度の高い社会を実現したいと考えています。
社内の経営者育成学校「ソフトバンクアカデミア」で出会った人の中には、自分でモノを作るだけでなく、組織を引っ張り社会に革命を起こそうと奮起している仲間も多く、刺激を受けています。僕も将来は経営者になり、社会に革命を起こしながら日本のAI技術を盛り上げていきたいです。


松岡さんの就活タイムライン

松岡さん スケジュール (2)

こちらが松岡さんの就職タイムラインです。大学4年次にインターンに参加したことがきっかけでソフトバンクから内定を得ました。その後大学院1年生の時に1年間留学。帰国後は内定者の立場でありながら、孫正義氏の後継者を育成する企業内経営塾「ソフトバンクアカデミア」に合格・入校したそうです。


語学について

理系だったこともあり、英語はそこまで得意ではありませんでした。留学前に受けたTOEICの点数は680点です。それでも留学先大学の教授へ熱意を直接伝えたところ、受け入れていただけることになりました。現地では最初の頃英語が話せなかったので、趣味のボルダリングで友人を見つけました。理系で語学力に自信がない人は、留学前に国内のインターンやコンペティションに参加して研究実績を作っておくと良いと思います。


松岡さんからのメッセージ

「自分の好きなこと」でトップを目指しましょう!
まずは自分がどういう時にワクワクするのか考えて留学を計画しましょう。計画は必ずうまくいかないので、準備期間にバッファを持たせることを忘れずに。逆算し、準備内容の取捨選択をして、留学実現を目指しましょう。好きなことなら困難に見舞われても死ぬ気で頑張れると思います!

松岡さんの留学についてもっと知りたい人へ

トビタテ!留学JAPAN公式ホームページで公開されている留学大図鑑から体験談を読むことができます。
※留学大図鑑とは…海外にトビタった経験を持つ1757人(2021年2月現在)の留学体験談をもとに、計画の立て方や課題の解決方法を検索できるサイトです。留学を検討している人は是非活用してみてください!

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