住居費削減で北欧・欧州複数国長期留学
海外留学には興味はあるけれど、円安や通っている大学の学費負担を考えると、留学費用面で諦めかけている学生さんやご家庭は多くあるようです。
ここでは、留学先や現地の生活費などをうまく工夫して留学を実行した先輩の例をご紹介します。
川澄光 さん
岐阜大学 卒業
留学先:フィンランド、フランス、イギリス、スペイン
POINT!
・受け入れ先を住み込みに
・学費の要らないVisiting Student
・旅は安い移動と知人の宿
留学期間
2021年1月~2022年12月
※トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」(大学生等コース)
第12期生(2022年1月から12月まで受給)
※コロナの影響により予定を変更し、自費留学とトビタテの再計画等を合わせて約2年間の留学
留学先・専攻内容
■フィンランド:
ヘルシンキ大学森林科学部(2021年1月-2022年5月)
専攻:森林生態学
■フランス(インターン):
Office national des forêts(2022年7月)
フランスのアルプス地域の森林管理の現場での業務補助、視察
■イギリス(ボランティア):
Tullyquilly house(2022年7月-9月)
北アイルランドにある有機農業を行う家でのボランティア
Mere Brow(2022年9月-10月)
イングランドにある有機農家でのボランティア(Col·lectiu Eixarcolant)
■スペイン(ボランティア):
Col·lectiu Eixarcolant(2022年11月-12月)
古代種、伝統作物、野草などの知識や育て方を地域の農家や住民に普及したり、イベントの開催、種子取りや食品の販売などを行う農業系の団体
※その他留学先以外にも、移動期間などに別の農家でボランティアをしていました。
留学目的
持続可能な森林管理、人間の自然との向き合い方を、科学的、産業的、社会的な視点で学ぶこと。
【留学費用概算】(学費納入総額、住居費、生活費)
■学費:なし
■住居費:なし
■生活費:なし
■その他費用
海外保険 1年目約50,000円、2年目約100,000円
在留許可 1年目約40,000円、延期(2回分)約50,000円
旅費(ヨーロッパ内)約300,000円
その他費用 約370,000円
計約910,000円
⇒総費用 約91万円(約2年間)
★返済不要の奨学金:計約157万円受給
・トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」約157万円受給
留学を考えるうえでどんな経済的な制約がありましたか?
当初ベトナム留学の計画をしていましたが、当時はコロナの影響で留学が延期となりました。しばらくコロナの収束が見込めず、個人でフィンランド留学を決意しました。留学中にトビタテでの留学の再申請ができることになり、計画変更をしてこの留学となりました。
2年のうちの前半1年間は、トビタテの支給はありませんでしたので、最初の1年間は、旅行などはあまり行けませんでした。
また、フィンランドの物価の高さも経済的な制約になりました。
どのように費用を工夫しましたか
ホームステイと住み込みボランティア等で住・食費無し
フィンランドにおける住居費、食費は、親切なホストファミリーのおかげでかかりませんでした。最初は、ホストファミリーのもとに住むか、学生寮に住むか迷っていました。学生寮の方が、多くの学生と知り合えるため、いいのではないかと考えていました。(ホストファミリーからも、そちらも提案されていました。)しかし、学生寮に住む家賃や食費を自分で払うとなった場合には、とても払えそうにはありませんでした。そのため、ホストファミリーのもとでお世話になると決めたことで、家賃や食費がかからずに済む結果となりました。
ホストマザーは私の大学の先生の知り合いで、たまたま日本に旅行に来ている際に先生の紹介で出会いました。留学をしたい旨を伝えたところ、「ヘルシンキに来たかったら来ていいよ〜」とのことで、ヘルシンキに行くことを決意しました。ホストマザーは、自分も若い頃に日本でお世話になっていたので今回は自分たちが受け入れる番だからと、滞在費はいらないとのことでした。
他国でのインターン先やボランティア先でも、受け入れ先で住み込みで働いていたので、住居費や食費はかかりませんでした。
Workawayなどの住み込みでできるボランティアサイトなどで、やりたい内容ができそうな受け入れ先を探すと、生活費は抑えられるかと思います。
学費のかからない Visiting Studentプログラム
交換留学生ではなく、Visiting Student(協定校以外の大学からも来られる制度)として留学していたので、協定や学位が無い代わりに学費はかかりませんでした。
現地での旅の移動や宿泊の工夫
夜行バスが電車よりも圧倒的に安かったので、ほとんど陸路で旅をしていました。ただ比べて見ていたら、飛行機の方が安いこともありましたので確認してください。
旅先での宿は、現地でできた友人、日本に来ていた留学生、トビタテ生の家やカウチサーフィン先に泊めさせていただいたりしていました。
その他
フィンランドは多くの場所で学割が効き、学食の費用が約300円ほどと、学生への補助が厚い国でした。また、大学でリサーチアシスタントとして働いていたときには、多少のお給料もいただけました。
パリの美術館や博物館の多くが、シェンゲン協定国の滞在許可(visa)を持つ18~25歳の人は無料で入れたのもラッキーでした。
Erasmus Youth Exchangeという、ヨーロッパのいろんな国の若者と、トピックについての取り組むプロジェクトに参加しました。短期間(1週間ほど)の滞在費や旅費は、EUによって支払われるので、自己負担はほぼありません。様々な国の若者と知り合い、共に行動し、理解を深めるとてもいい機会でした。
メッセージ
やりたいことや留学先を、いろんな人に相談したりすると、意外なところで繋いでもらえる縁があるかもしれません。
いろいろな方法次第では、費用はかなり変えることができるかと思います。週末も、森に行ったり、サイクリングをしたりと、美しい自然の中で、お金をかけなくても、とても楽しく充実した時間を過ごしていました!
自分で住居等を探すときには、大学が提供している寮などに応募をしたり、自分が行く大学に留学をしていた先輩を探したりして、どのような場所に住んでいたのか、どうやって探したのか、などを実際に経験がある人から尋ねました。
また、Facebook等でその地域の賃貸を紹介しているグループなども教えてもらったので、それらも参考にしていました。自分は、紹介してもらったホストファミリーのところにずっといたのですが、万が一の場合も考えて、値段や場所など、いろいろな条件を見比べながら探しました。
ボランティア先を探すときに、前の滞在者の残したレビューや評価をよく読んで、安全な場所かどうか、信頼できる滞在先であるのかは、気を付けながら探していました。
そのため、家探しに関しても、ホストファミリーと合わなかったりした話を聞いたので、レビューなどがある場合には、しっかり読んで、参考にすることが大事だと思います。
※費用などは、留学当時のものです。