
脳卒中による失語症患者のための、BCIを用いたリハビリ機器の開発 トビタテ奨学生【大学生等コース】の留学ビジョン
コロナ禍の今、まさに留学中のトビタテ奨学生のビジョンをご紹介します。
トビタテ生情報
名前:小島宰門さん
学校:芝浦工業大学大学院理工学研究科機能制御システム専攻1年
留学先:オランダ・ナイメーヘン
留学期間:2022年2月~2023年1月
留学内容
Brain-Computer Interface(BCI)とは,脳波などの脳活動からユーザの意図を読み取り,コンピュータなどを操作することを可能にする機器です.BCIを用いると,体を動かしたり,話したりできない病気の患者がコミュニケーションを取ることが可能となります.また,近年では脳機能の回復のためのリハビリ手段として用いられる場合もあります. 私は,オランダの研究機関で脳卒中により失語症となった患者の言語機能回復リハビリ用BCIについての研究を行っています.現在用いられているシステムでは,高価な装置を数多く利用しています.また,機器のサイズも大きいため,小さな病院や家庭では導入が困難です.そこで,より安価で小型で,誰でも簡単に利用できるものでありながらも,同等のリハビリ効果が期待できるようなシステムを開発することを目指しています.
コロナ禍で留学準備をする上で感じたこと、心がけたこと
入国や航空機の搭乗に様々な条件が課されていたため,それらを入念に調査し必要な書類等を早めに用意することを心がけました.また,それらのルールは日々変わります.1週間経ったらルールが変わっていたといったこともありました.そしてルールが頻繁に変わるということは,空港職員や入国審査官も深く理解していない可能性があります.自分でこまめに情報を確認し,必要なものをチェックし,入国の際などに問題があった場合に自信を持って説明できる状態にしておくことが必要だと思いました.
留学経験を生かして実現したい志
私は大学学部時代からBCIについての研究を行っており,BCI分野で研究者となることを目指しています.オランダを含むヨーロッパでのBCI研究は世界でも最先端です.より多くの方々が利用できるようなBCIを開発することで,様々な障害をおもちの患者さんのQOLを向上させる事が可能になります.留学を通じ先端の研究に間近に触れ,帰国後の自身の研究に活かし,より多くの方々が利用できるBCIを開発し,社会に貢献したいと考えています.
意気込み
コロナ禍において海外との行き来がしづらくなった一方,オンラインでのミーティング環境が整い,国際交流や学びの幅が広がったと思います.しかし,実際に訪れて勉強や研究をすることでしか得られないものもあると思います.皆さんの目標に対して,日本でもできること,海外留学でしかできないことを明確にし,目的意識を持って望むことで,より実りのある留学経験になると思います.周りの方々の助けを借りながら様々なことに挑戦してください.
いかがでしたか?志豊かなトビタテ生の意気込みはマガジンにて配信中!
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