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【イベントレポート】 18歳新成人と未来を語る with kemio

文部科学省 トビタテ!留学JAPAN は、成人年齢引き下げを迎える直前のタイミングの2022年3月30日 若者の皆さんや海外からのゲスト、そして社会で活躍されるゲストをお招きし『18歳新成人と未来を語る with kemio』を開催しました。
今回のnoteでは、みなさんにその様子をお届けできればと思います。

イベント開催背景

トビタテ!留学JAPANは、法改正によって2022年に成人になる18歳を対象に、昨年末に意識調査を行いました。18歳で成人になるにあたり、もっと社会の仕組みを知りたいという回答が多く、また、海外の同世代の人と、未来社会について対話したいか?という質問に、全体の約54%が「興味がある」と回答していました。 これを受け、世界の18歳や、留学をして世界を経験してきた経験のある先輩たちの話を聞くことのできるオンラインイベント「18歳新成人と未来を語る with kemio」を開催しました。

世界の「18歳意識調査2022年版」by 日本財団(一部抜粋)

日本財団「18歳意識調査」とは
2018年から本年2月までに44回実施されている日本財団による若年層の意識調査。成人年齢引き下げを前に、次代を担う18歳前後の若者の意識を継続的に調査し、社会づくりに役立てることを目的に掲げる。2019年には、9か国の若者計9,000人を対象とする国際調査(※第20回)を発表し、「自分の国は将来良くなると思うか」「自分は大人だと思うか」等の項目での日本の数字の低さが大きな話題となった。

・日本や自分の未来への不安や閉塞感は他国と比べて高い。・ジェンダーギャップを感じている若者は少ない。・「自分の行動で、国や社会を変えられると思うか」という質問に対し、「はい」と回答した日本人の18歳は26.9%と調査参加6カ国のなかで最も低い。


日本財団「世界の18歳意識調査2022年版」の詳細な結果について、は以下のサイトをご覧ください。(外部サイトに接続します。)
https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2022/03/new_pr_20220323_03.pdf

3か国の若者によるトークセッション

イベントでは3名のもうすぐ新成人を迎える3か国3名をお招きして現在の意識や未来について話をお聞きしました。韓国からはナム・カンヒョンさん、インドからシン・リシタさん、日本から國枝ソウタロウさんをお招きし、さまざまな質問を伺いました。成人になることへの期待や不安、自分の行動で国や社会を変えられるか、周りの人と政治について話すことはあるか。どんな未来であることを望むかなどについて議論し、チャットではたくさんの共感の声と共に盛り上がりました。

若者の社会参加を促進するZ世代対談

「政治や選挙、社会問題について、積極的に情報を集めているか」質問の回答に対し、6カ国のなかでも最低の29.3%だった日本で、このギャップを解決しようと取り組まれている三人のゲストに、「どのようなことがきっかけで興味を持つに至ったのか」、「世の中を変えられる!と思った身近なエピソードについてを伺いました。

ゲストプロフィール
PoliPoli  伊藤和真さん
慶應義塾大学1年時にPoliPoliを創業。政治家向けの政策共創プラットフォーム「PoliPoli」、行政向けの政策共創プラットフォーム「PoliPoli Gov」などを運営する。九州大学 非常勤講師。米国にダンス留学の経験がある。
NO YOUTH NO JAPAN  能條桃子さん
一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事。1998年生まれ。慶應義塾大学院生。ハフポスト日本版U30社外編集委員。若者の投票率が高いデンマーク留学をきっかけに、2019年7月政治や社会の情報を伝えるInstagramメディアNO YOUTH NO JAPANを立ち上げ、団体創設。
POTETO  古井康介さん
株式会社POTETO Media CEO。 富山県生まれ。慶應大経済学部卒業。在学中にアメリカ大統領選挙を現地取材し、政治の発信をサポートする事業を帰国後に開始。後に起業。 政治専門の広告会社として元総理や現職大臣などの発信をサポート。(一社)若者協議会 理事


kemioさんスペシャルトーク

ゲスト:kemioさん
1995年10月16日生まれ。YouTube、Instagram、Twitterなどを含め、フォロワーは400万人を超える。高校時代に動画アプリ・Vineで発信した投稿で注目を集め、2016年末に生活拠点をアメリカへ。女子中高生はもちろん、近年では大人からの支持も厚く、クリエイターとして大人気に。卓越したワードセンスで繰り出す「あげみざわ」などの独特な言葉も「けみお語」として親しまれ、若い世代に浸透中。
2019年4月に発売した「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」は、発売から3ヶ月で15万部を超えるベストセラー、GQ MEN OF THE YEAR 2019では、Youth Infulencer of the Yearを受賞。
流行を生み出し続ける世界規模のスターとして、クリエイター、モデル、歌手などとして多岐の分野で活躍している。

Q1、18歳の時にどんなことを思い、どんなことをして過ごしていましたか?
僕は今年26になるんですけど、何も考えていなかったです。(笑)
高校卒業するまで学校が好きじゃなくて、自分はすごくやりたいことが多いタイプでした。なので高校卒業して社会に出て働くことが18歳でスタートした時、ワクワクを持っていて、いい意味で社会をナメていたと思います。365日24時間、毎日快速運転をしていました!

Q2、海外留学を意識したきっかけや理由をおしえてください
もともと小さい頃からアメリカの音楽とかドラマが大好きで、アメリカのカルチャーに興味があり、心の中でいつかずっと行ってみたいと思っていました。でも留学はものすごくお金がかかるから、大人になったらいきたいなと思っていました。
18歳で高校を卒業して、社会で仕事をしていく中で、今まで学生のうちは同世代と絡むことが多かったんですけど、社会に出て目上の方と接するうちに、自分が今までいかに勢いで生きてきたかとか、何の知識もなく生きてきたかって考えるようになりました。会話は知識による部分がすごく大きいので、いろんな活躍されている人たちとお会いするうちに、自分の喋れるものがないなだとか、会話が「はい」・「いいえ」で終了してしまうことが多いことに気づきました。
そこで、2年間貯めたお金を洋服とかに使ってもよかったけど、せっかくなら経験に使いたいと思って。ロサンゼルスに飛びました。

Q3、kemioさんが海外で過ごす中で、大人になったな、と感じたエピソードを教えてください。
ぶっちゃけ、ないです。
大人になった瞬間って全然ないです。今も昔も、気持ち的なモチベーションは今も変わっていないので。
具体的に大人になったなって感じるのは、税金を払わなければいけないだったり、そういう部分で感じたりします。社会の一員として責任感が増えてきた部分を感じる瞬間はあるなと思います。それ以外は全然、あまり感じないですね、普通にkemioです。

イベントでは、参加者による質問タイムも行われました。

Q4、「いつもkemioさんの動画を見ていて思うのが、生きることがすごく楽しそうだということ。成人し独立すると、事実上は自由になるものの、経済的な面などでは、むしろ不自由で厳しくなるのではないかと不安です。実際、kemio さんはどうですか?」
僕も高校卒業した時、クレジットカードでお金を切りまくっちゃってどうしようってことはありました。今振り返って、私もそういう不安があったなというふうに思います。でもそれは、あんまり考えなくていいと思います。

何かをやる時に経済的な部分を考えることは大切だけど、社会に出ると今まで以上に責任や不安を感じることが増えると思うから、、考え方次第だなと思います。お金的にいうと、自分の中で予算を決めて、次のステップに進んでいく感じです。僕の場合はすごく長い間留学したかったんですけど、今すぐにでもいきたいって思ってたけど、自分の中でリミットを決めて「お金が貯まってから行こう」と決意しました。自分の中でリミットを決めてそれが貯まったら行こうというふうにすればいいので、全然焦らなくていいと思います。

Q5、「kemioさんがアメリカに飛び立ったのは、島国の日本に息苦しさを感じた部分もあるのかな?と思うのですが、海外に出て感じる、日本で暮らしていると気づきにくい感覚や視点、「もっとこうなったらいいと思う」という提案はありますか?」
こっちの国の方が良くて、こっちの国が悪いっていう表現の仕方ってすごく苦手なんです。僕はアメリカに引っ越すまでは日本の悪口ばっかり言っていました。みんな真面目でつまんないとか。日本の歴史とかいいところも全然しってないのに外の国への憧ればかりが強かったんです。

はじめて海外に出て、日本を外から見たとき。海外の人が見る日本の印象を知ることで、自分の生まれ育った国を知ることってすごく大事だなってことに気づきました。自分って本当に自分の国のことを知らないことが恥ずかしいことだって感じたのを今でも覚えています。一番大きく気づいたのは、日本の常識は日本でしか通用しないんだなということ。例えば会話とか、人と仲良くなる時に、日本での常識・価値観を持ったままだと驚くことが多かったです。

時間に遅刻してきたり、約束が守られなかったり、そういうこともあって日本の価値観でいると、傷ついて落ち込む瞬間も増えたりすると思います。それを日本の価値観と違うことを嫌うんじゃなくて、フラットな状態で突き進んでいくことが大切だと思います。

やっぱり日本の社会は他人の目を気にしすぎていると思うことが多いと思います。自分自身も他人の目を気にするタイプなので(笑)。機械的な動き・ロボットみたいな人が多いことに気づきました。決められた通りにやることはいいことだけど、たまに心の温度を感じられなくて寂しくなることはあって、アメリカの人は「自分の気持ち」を大事にしながら意見を伝えたりするので、それは大事だなと思います。

もう1つアメリカに来て感じたのは、日本で20年間育ってきたけど1回失敗したら終わりと思っていました。失敗することは恥ずかしいことだと。
社会で失敗したら2度と這い上がれないと思い込んでいました。でも、アメリカで生活していると、逮捕歴があるような人でも社会に戻って活躍していたり、失敗にもいろんなケースがあるけど、失敗を失敗で終わらせない。人間は失敗するものだから、次にどうやってステップアップできるのかっていうのを大切にしている方は米国の社会では多いと思いました。日本はまだまだそういう面に対して暗黙の了解があったりするので、そう言った部分が変わればいいなと思います。

Q6、「自分に自信がもてず私なんてと思って気後れしまうことがあります。そういう経験はありますか。どう克服するか、アドバイスをお願いします。」

一人一人生きるペースって違うなと思っていて、でも私たち人間は心のどこかで常に先を見て行きがち、せかせかしているなと思います。現状に感謝せずに、どんどん自分にプレッシャーをかけて「何で私は」って気持ちになってしまいがち。

たとえば僕の場合は英語だったんですけど、ペラペラに英語を話すクラスメートとの前で自分が話すことがすごく恥ずかしいと思ったり、逆に喋らないでどんどん能力も上がって悪循環になっていました。

だけど人それぞれスタート地点が違うし、誰しもがはじめてを経験する。
自分ができないことに気づくことは大切。でもその気持ちに引っ張られてはいけなくて。足りないことに気づくことっそれだけ自分がそのことに真剣に向き合っている証拠だと僕は思う。なので、自信がつく時に大事なことは「経験すること」。経験を積み重ねることで、いろんな角度から自分を分析することができるようになって、もっともっとパワーアップしていくことができると思います。一人一人食べてる時間も寝ている時間も違うように、他人と比べることなく、自分を責めないでほしい。ここから19歳なら、ここからはやばいよ。5年後、やばいよ。応援してます。

Q7、「私は将来、kemioさんのように世界の第一線で活躍するために留学して視野を広げたいと思っています。Kemioさんにとって成人とはなんでしょう?成人になる18歳の私たちがしておいたほうがよいことはありますか?」

正直にいうと、20歳の時に成人を迎えた時、よくわかりませんでした。昨日も今日も変わらないと思っていました。成人と言われて自分が変わることについて、あまり意識したことがなくて。たしかに契約が一人でできるようになるとか、パスポートが10年発行できるとか人生の選択肢においてアクセスできるものは広がるけど、自分の中で意識したことはあまりないです。

成人という言葉を聞くと、ちゃんとしなきゃ、責任感を持たなきゃというふうに思うかもしれないけど、18歳のみなさんにしておいてほしいことは、たくさん思い出を作ってほしいです。成人だからと言って自分は遊ばないほうがいいかなと思わずに、平均年齢80で、まだ半分にも行ってないのに、あとの半分働かなきゃいけないのはすごく大変。今のこの18、19。20歳は人生で一回しかない自分の好きなことができる最高の瞬間だと思っています。

やっぱり自分が26になって思うのが、18歳くらいの頃って社会に飛び出たばかりだから、失敗もわからないから、いろんなことに挑戦できる可能性がある。自分も社会に出て6年経って、大人って「こういうことがあるんだ」って社会の中で1歩引いてしまうことがあることに気づいた。なので、18歳のうちにしておいたほうがいいことは、自分にわがままに生きて、大人の意見は4割ぐらいに聞いてほしい。社会に出たからと言ってわからないことしかないのに、当たり前のように「わかるだろ」って接してくる人が多い。でもそんな人は無視して、わからなくてあたりまえだから質問してほしい。そして経験にたくさんお金を使ってほしいです。

Q8、今しかできないこと、kemioさんだったら18歳に戻って何がしたい?

人によってプライオリティ(優先)するものは違うけど、わたしは18歳の時にお金が大切だった。バイトバイトバイトでお金を使って自分の可能性を広げたいと思ってた。今思うと、学校の活動や友達との遊びにに、時間を使えばよかったなと思います。もう戻れないから。

4月1日から成人を迎える18歳の方、若者へのメッセージ

このたびは成人される皆さん、おめでとうございます。
ようこそ!大人の世界へ。
実はぶっちゃけ、成人という言葉って今でもわたしはよくわかっていなくて、自分が大人なのかって聞かれると「大人って何だろう」ってなってしまうくらいニュアンスは曖昧なものです。でもそれでいいと思っていて、成人ていう言葉って聞くと重いけど、それに囚われすぎないでほしい。

18歳ってまだまだ人生ではすごくベイビーだし、だからこそ社会に出て自分が全てを背負わなくてはいけないという気持ちにはならないでほしいと思います。周りの大人にどんどん甘えてほしいし、どんどん質問してほしいしどんどん失敗してほしいし、どんどん自己中に生きてほしい。

社会に出ると不公平だなって思うことはいっぱいある。その辺の大人って、勝手に生きてるので意見を聞くのは4割くらいでいい。自分の価値は、自分自身で見出していつも自分の味方でいてあげて、自分の好きなような道に進んでほしいと思います。いつまで人間生きられるか、人それぞれリミットはわからない。その日まで頑張ってほしいなと思います。応援しています。

トビタテ!留学JAPANでは今後も高校生・大学生の皆さんに社会や世界についてより関心を持っていただくためにこのようなイベントを企画していきますので、ぜひ公式サイト、直近のイベント情報もご覧ください!

ご参加いただいた皆さん、そしてゲストの皆さん、kemioさん、ありがとうございました。

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