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初日レポート~戦争と平和、ハワイの歴史、自然との共生などをテーマに視察~【高校等教員向け】探究型海外研修企画のためのハワイ視察プロジェクトより

今年度から「トビタテ!留学JAPAN」とハワイ州観光局が共催する「【高校等教員向け】探究型海外研修企画のためのハワイ視察プロジェクト」、7月参加組の12名が、20日、無事に飛び立ちました。
本企画の立ち上げに携わり、視察に同行しておりますトビタテ広報の西川より、日々のレポートをお届けしてまいります!

羽田空港で集合した10名は、リアル初対面とは思えない打ち解けた雰囲気。

チケットを御提供いただいたハワイアン航空様の、これから乗り込む機体の前で記念撮影!

オンラインでも海外と繋がれるようになったり、円安物価高で渡航研修のコストが大きく上がったりする昨今ですが、やはり現地でしか得られない体験価値があるはず…。そこで、「生徒のための、時代に合った学習効果の高い探究型海外研修を教師が自らプロデュースする」そんな機運を高めるべく、全国から先生方に挑戦いただいたのが当プロジェクトです。

前回の記事でも御紹介しましたが、多数の応募者から選ばれし先生方の熱意は並々ならぬものがあります!
さあ、3泊5日の弾丸視察で、どんな出逢いがあるのでしょう。
夜便ながら眠れない方が多く、寝不足気味で訪れたハワイ初日の幕開けです。

期待どおり、到着したダニエル・K・イノウエ国際空港から見る空は快晴。

パンチボウル国立太平洋記念墓地へ

最初に、パンチボウル国立太平洋記念墓地(National Memorial Cemetery of the Pacific Oahu)を訪れました。ホノルルのダウンタウンのすぐ北、火山活動によって出来たパンチボウル状の(パンチと呼ばれる果物ジュースを飲むボウルのような)くぼみのある高台にあります。

展望台も併設されていて、1年を通じて多くの方が訪れるそう

第一次、第二次世界大戦やベトナム戦争で戦没した4 万人以上の兵士が眠る国立戦没者墓地。19世紀後半から日本人が新天地を求め海を渡りハワイで暮らしていました。日系人として日米の戦争がはじまり、複雑な立場に置かれながらもアイデンティティのあるアメリカ兵として戦い、戦没された方々も多く眠っていらっしゃるそうです。

戦争と平和について探究したい生徒は、パール・ハーバーの資料館と併せて訪問するとよさそう

ホノルルのダウンタウンで、州庁舎、王銅像、イオラニ宮殿などから、ハワイの歴史を探訪

昼食に美味しい飲茶をいただき、元気を充填した一行はダウンタウンの政治の中心部へ。州庁舎とその周辺にある様々な名所を訪ね、イオラニ宮殿までの歴史的な街道を歩いて巡りました。
そこで、観光気分で訪問したら見落としていたような、目から鱗の情報をつまびらかに御案内してくださったのが、アロハプログラム・キュレーターとして御活躍されている、ロバーツさゆりさん(青いハワイアンドレスがお似合いの方)です。

州庁舎の建築の背景にあるもの、ハワイ王朝の代々の王のエピソードから、今のアメリカの50番目の州となるに至った歴史など、盛りだくさん。

左が州庁舎、右の旗は、ハワイ州の州旗。ユニオンジャックを含む理由も教えてもらいました!

政治や移民政策、原住民と支配者の関係など歴史を紐解きながら探究したい生徒のための研修プランに役立ちそうな内容でした。

子ども時代から歌では知っていたカメハメハ王朝と日本の深い関係も学べました。

通りがかりの木の枝をふと見上げると白い小鳥が。木の幹には、見慣れぬ青いテープ。

「あら、あの真っ白でかわいい顔をした鳥はなんですか?」とさゆりさんに尋ねたところ、ハワイではよく見るターンという鳥の子どもでした。ターンは巣を作らず、枝の上に卵を産み、枝で子育てするそうです!

お顔がまだ、あどけない・・・

木の幹に巻き付けられた青いテープは、ターンがいること、何かあった場合の連絡先が記載されていました。(驚)

ターンの巣があるからね、何かあったらこの番号に電話してね、というテープ。

枝を切ってしまわないように注意しつつ、まだ飛ぶのが下手な子どもが下に落ちていることがあり、その場合は連絡したら専門の方が親鳥に配慮したかたちでもとに戻すそうです。こういう生き物への配慮に、アロハスピリットを感じた一行でした。

星や波など自然を読み航海する伝統航海カヌー「ホクレア」から学ぶ、自然との共生

今日の最後の訪問先は、ポリネシア航海協会。敢えて海図やコンパスを使わず、星や波、鳥など自然を読み航海する伝統航海カヌー「ホクレア」を通じた啓発活動をしている非営利団体です。

今回は「ホクレア」の魅力を本で知り、ハワイ留学中に日本人として初めてクルーとなった内野加奈子さんらのお話を伺いました。内野さんは本も出版されていて、そのストーリーは日本の英語の教科書でも紹介されています。

英語の教科書で内野さんを知り、感激して連絡してくる生徒もいるとか。

宇宙からの視点では地球はひとつの島であり、ホクレアが目指すのは航海先の島というよりは、地球の未来だというメッセージが心に響きました。持続可能な自然との共生について探究されたい生徒さんにぜひお繋ぎしたい協会だと思いました。
内野さんへのハワイ州観光局によるインタビュー動画はこちら。

お話の後は、なんと停留中の「ホクレア」に乗せていただけることに!
暮らしの機能(寝る場所、調理場所)なども実際に見て、触ることができました。

梶をきる棒は、仲間と息を合わせて動かさないとアッパーカットされて危ないそうです!大事!
こちらで温かいお料理もできるそうです!

こちらで運営側から提供したプログラムは以上でしたが、先生方はこの後も現地の高校の先生とのアポイントや3日目のフリータイムの準備をされていたようでした。

最後に番外編ですが、岩手県立一関高校の久保田先生の記録メモが見やすいと仲間内で評判になっています!このお洒落な文字やイラストをスラスラと書けるのはすごいと思いました。(私のメモはたまに自分でも読めません)

ポリネシア航海協会でのお話を聴きながら書かれたページ

平和のこと、歴史のこと、自然のこと、生徒の探究に役立つリソースを沢山学べた、充実の初日視察レポートは以上です!

明日はハワイ大学の先生やビショップミュージアムを訪問予定です。